理事長 岡室 富夫
(大洋製器工業株式会社 代表取締役社長)
■ 2024年7月
「 近い、万博。 」
一般社団法人 大阪建設機械器具協会(以下、大建機)の会員の皆様におかれましては、ますますご隆盛のことと心よりお喜び申し上げます。平素は大建機の運営に、ご協力とご理解をいただき誠にありがとうございます。
巻頭言のタイトルは「近い、万博。」としましたが、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会では「くるぞ、万博。」です。開催日がもうすぐ来るというより、もう目の前に来ているということで、“近い”としました。大建機会員の皆様のなかには、すでに入場券を手に入れた方もあると思いますが、これからという方も多いのではないでしょうか。
念のためですが、「大阪・関西万博」の正式名称は、2025年日本国際博覧会、テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン、開催期間:2025年4月13日~10月13日(184日)、開催時間:9:00~22:00、会場:夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)、来場想定人数:2,820万人、となっています。
私の年代で万博と言えば、1970年3月15日~9月13日(183日)に千里丘陵で開催された日本万国博覧会(大阪万博)です。私が思い出すキーワードとしては、太陽の塔、月の石、人間洗濯機、モノレール、エキスポランドなどです。大阪万博は、当時としては常識外の超巨大プロジェクトであったため日本全国で物議を醸しましたが、世界各国の新技術や文化を結集し、一時の未来世界を作り上げたことで6,422万人が来場し、国際博覧会史上初めて黒字となり大成功を収めました。大阪万博に出展し、その後実現し普及したものとして、温水洗浄便座、動く歩道、モノレール、電気自動車(現在のEV車)、ワイヤレスフォン(現在の携帯電話)、缶コーヒー、ファーストフード、ファミリーレストランなどがあります。今は普通にあるものばかりですが、万博があったからこそ実現した功績であると言えます。
今回の「大阪・関西万博」は、報道では何かと課題が指摘されていますが、パビリオンや会場の建設は着実に進行しています。万博は日本の国家イベントであり開催までもう近いですし、前回の万博を見ていない世代も多くいるわけですから、大阪・関西万博を盛り上げていくべきです。
今回の万博を契機に、大阪市内では“100年に1度”とも言われる再開発が大阪・梅田で佳境に入っています。「グラングリーン大阪(うめきた2期)」の先行開業が9月6日に控えていますし、「キタ」地区で大型複合ビルが相次いで竣工します。商業、文化、娯楽など幅広い領域で魅力を高めて、言わば、国際都市「大大阪」(だいおおさか)の復活をめざしています。
また、大阪市の中心部は、堂島川・土佐堀川・木津川・道頓堀川・東横堀川といった川が、カタカナの「ロ」の字型で囲っています。これは“水の回廊”と呼ばれる地形で、世界的にもかなり珍しいものです。つまり、大阪は水の都、「水都大阪」とも言えます。大阪府・大阪市・経済界は協力して、「水都大阪」再生に向けて取り組みを行なっています。
こうしてみると、大阪・関西万博が大阪の地位向上のきっかけになるのは間違いありません。開催が待ち遠しく楽しみです。大いに期待しましょう!「近い、万博。」!!
■ 2024年1月
「 新たな芽を伸ばす 」
一般社団法人 大阪建設機械器具協会(以下、大建機)の会員の皆様方におかれましては、ますますご隆盛のことと心よりお喜び申し上げます。平素は大建機の運営に関して、ご協力とご理解をいただき誠にありがとうございます。
令和6年 2024年は大変な出来事で始まりました。1月1日元日に能登半島地震、2日は羽田空港 航空機衝突、3日には北九州市小倉 鳥町食堂街火災がありました。正月三が日にこのような事が立て続けに発生すると、何かの前ぶれかと思ってしまいます。地震の被災地、航空機の残骸、焼け落ちた街並み、ニュース映像からでも現地の深刻さが伝わります。今年の思いもよらない災いは、もうこれで終わりになってほしいと切に思います。
去る1月17日は29年前の阪神・淡路大震災の発生日であり、震災を機に始まった追悼イベント「神戸ルミナリエ」が1月19日から28日まで4年ぶりの開催となりました。
今年の正月三が日に発生した大変な出来事も重なり、私たちは改めて防災・減災について考え、行動することが必要であると考えます。会員の皆様はそれぞれに様々な備えをされていると思います。例えば、カセットボンベで使用できる発電機やコンロなどを保有している、保存食としてレトルト食品や長期保存できる水を蓄えているなど、あるいは、供給網であるサプライチェーンについての検討・見直しを行なっている、BCP(事業継続計画)を策定した、策定済みのBCPの不備はないか検証しているなど。
まさに、「備えあれば憂いなし」であることを再認識して、準備することが必要であると考えます。
また、会員様への影響が懸念されることとして、2024年問題と称して4月1日から、建設・物流・医療などの時間外労働について、働き方改革関連法によって法律上の制限がかかります。現実的な対応を迫られている会員様もおられると思います。見直すべきところ、継続するところなどを見極める機会であると捉えて、どうか乗りきっていただきたいと思います。
令和6年 2024年は辰年のうち、「甲辰(きのえたつ)」にあたります。この甲辰の年は、“古い殻を破って新たな芽を伸ばす”のにうってつけの縁起の良い年、と言われています。年初に発生した災いは痛ましく、2024年問題は重い課題であります。私たちを取り巻く環境は、原材料価格・エネルギー価格の高騰による物価高が長期化しており、生活はもとより会社の経営環境にも大きく影響が及んでいます。さらに、従業員の確保・賃金など雇用・労働に関する課題についても対応に悩むことがおおいにあります。
このような環境下でありますが、“私たちはより良い未来に向かうことを信じて前に進む”“始まりは厳しくとも必ず挽回して皆が笑顔になるようにする”、そういう令和6年 2024年にしていきたいものです。